誓約付き!?期間限定の同居生活~不仲なはずの狼系ドクターは、義妹を寵愛する
家の玄関を開けて、キッチンで水を飲んでいると、部屋から美来が出て来た。
「お帰りなさい。先生、何か嫌な事でもありましたか?」
「あぁ、まぁな」
「いつにも増して、凄く不機嫌顔です」
「いつにも増しては、余計だ」
美来は、笑いながら横をすれ違った後、立ち止まった。

「先生・・・食事の相手は、女性ですね。女性らしい甘くていい香りがする。きっと綺麗な女性なんですね。そうか・・・先生の奥さんになる人は、私のお姉さんですね」
「・・・そういうことになるな」
「それなら・・・それなら、優しい人と結婚してくださいよ?」
「俺が好きになる人を、美来に指図されたく無い」
「そ、そうですよね!先生が誰を好きになろうと、私には関係無いんだから」

関係ない・・・か・・・
全く・・・人の気も知らないで・・・

俺が素直に自分をさらけ出せる女性は、現れないだろう。
美来以外は・・・わがままを言えない。

「ところで、美来、明日なんだが」
「そうだ!私、明日、白波先生に2人で食事しようって誘われて、夜はいませんから。私、先に寝ますね。お休みなさい」
美来は笑顔を見せて、そのまま部屋に入っていった。

白波と食事か・・・
美来のあどけない笑顔が白波に向けられる・・・
もし・・・食事だけで終わらなかったら・・・
想像していると、無意識に美来の部屋のドアノブに手を伸ばしかけた。

俺は・・・何をする気だ?
深呼吸をし、美来は大事な妹だと自分に言い聞かせて、ドアノブに触れかけた手を引き、拳を握りしめた。

美来との同居もあと半月・・・
良かった・・・もし、もっと期限が先だったら、いつか俺はあのドアを開けてしまう。
顔を洗おうと、洗面室に行くと、鏡を見て驚いた。

こんな顔、美来が見たら・・・
見せるわけにはいかない。
完全に狼化してる・・・男の顔だ。
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