誓約付き!?期間限定の同居生活~不仲なはずの狼系ドクターは、義妹を寵愛する
【同期の贈り物の先には猛愛が待っている】
松木さんは、幸い初期段階で、抗がん剤も必要無く、10日後には退院出来るだろうと、天真先生も安心した様子だった。

お見舞いに行こうとしたけど、白波先生から、
「藤里さんが来ると血圧が上がるから、退院の日まで来ないようにだってさ。きっと、自分の元気な姿を見て欲しいんだと思うよ。あっ、これ、天真に内緒ね」

意味深な言葉と笑顔で、言われたけど・・・
松木さん、退院後は経過を見るために、しばらく日本で仕事をするらしいから、また会えるかもしれないし、退院の日なら大丈夫かな・・・
今は、松木さんが元気になってくれれば、それでいい。

数日後、天真先生に様子を聞くと、
「予定通りに退院出来るよ。お見舞いに行っても大丈夫だし」
「い、いえ、大丈夫なら、また退院する日にお見送りします」
先生は不思議そうな顔をしてたけど、白波先生との約束を守らないと・・・

退院の日、天真先生と白波先生と私とで、松木さんを見送るために、裏口に向かう。
平日というのに、どうして裏口?という疑問を持ちつつ、3人について行った。

松木さんは深々と帽子を被り、今日はゆったりとしたパーカーにワイドパンツで、変わらず女性にしか見えない。

「白波、天真、ありがとう!」
松木さんは、白波先生に抱きついた後、頬にキスをしていた。
天真先生はそれを見て、
「俺には抱きつくなよ」
と、仁王立ちして睨んでいる。
「じゃあ、美来ちゃんでいいよ」
そう言って、手を広げて、私に近づいて来たけど、
「もっとダメだろっ!」
と、腕を引っ張られて、叱られていた。

「油断も隙も無い。そうだ松木。例の件、頼んだぞ」
「うん、入院中に進めたから、期限までには出来るよ。また連絡する」
「間に合って助かったよ」
「じゃあ、またねっ!」
手を振りながら帰る松木さんは、タクシーに乗って帰った。

「元気になって良かったですね」
「まぁな。手術は成功したから、あとは再発しないことを祈るよ」
「その時は、僕がまた手術するさ」
3人の見えない絆に、少し嫉妬するなぁ・・・
でも良かった。松木さんが元気になって。
< 95 / 158 >

この作品をシェア

pagetop