【完結】あいつは悪魔王子!~悪魔王子を召喚しちゃった!?魔術クラブ結成!都市伝説『追いかけ鬼』をやっつけろ!~

 麻那人の言葉に小さな目を丸くしたザボは今度は大笑いしだした。

「ギャハハハハ! 馬鹿言うんじゃねぇよ! 追いかけ鬼なんか創ってわざわざ少しずつ力を貯めてようやく人間を狩れる力を取り戻したんだぜぇええ!」

「……まだ、そんな事を言うのか」

「当たり前だろぉ! 俺は悪魔だ! 人間は大好物だ! 何が悪い!」

 叫ぶザボに、更に冷たい瞳を向ける麻那人。

「……悪魔はもう人間を襲わない。悪魔は高貴で崇高な存在。何よりもその知識欲を満たすためだけに、学びを求めよ。混沌の闇のなかから更に深く深く存在の意味を追求せよ。悪魔であるという存在を血と暴力以外で表すことを永遠に探究せよ……闇である誇りをもつために……永遠に学び続けよ……」

 静かに話す麻那人。
 
「なにを言ってる?」

 わけがわからないといった顔をするザボ。

「初代悪魔王マーナットハロンヘッドの言葉だよ。お前のような悪魔なんかもう時代遅れってことさ」

「ヒャハハハハ! そいつは王なんかじゃねぇよ! ただの腑抜けさ! 悪魔は残酷無慈悲! 人間を引き裂くのが悪魔だ! さっさとこの結界を解けぇ! さっきの娘っ子達を喰いに行くんだからなぁ!!」

 そう言った瞬間、ザボは右腕の剣をふりかざして麻那人に襲いかかった!

「ねぇ、僕は怒っているんだよ」

 麻那人の首を刈ったと思ったザボだったが、何故か麻那人は普通に立っている。

「なんだ……?」

 不思議そうな顔をするザボ。
 麻那人は剣も何も持っていないまま、右手をシュッと動かした。

「はへ……?」
 
 ザボの右腕がゴトリと落ちた。
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