シリアル・ホラー
学校だけじゃない。丸夫くんの「呪い」は、もう街全体に、世界中に広がっているんだ。
「お母さん! お父さん!」
涙で視界をにじませながら、私は我が家の玄関ドアを激しく押し開けた。
「助けて! みんなおかしくなっちゃったの! 早くここから逃げなきゃ――」
リビングに飛び込んだ私は、その場にへたり込んだ。
ソファに座っていたのは、私の大好きな両親ではなかった。
お母さんの身体の首から上には、お父さんの生首が乗っかっていた。そしてお父さんの身体の上には、お母さんの生首が乗っている。二人は互いの手を繋いでいたが、その手は指が十本ずつに増え、まるで巨大な蜘蛛のようになっていた。
「おかえりぃ~、美里ぉ~」
お母さんの体をしたお父さんが、間延びした声で言った。
「黒沢先生から聞いたわよぉ~。明日から夏休みなんですってねぇ~」
お父さんの体をしたお母さんが、ずるずると蜘蛛のような手を伸ばしてくる。
「丸夫くんってぇ~、本当に素晴らしい神様ねぇ~。私たちをこんなに『素敵なかたち』にしてくれたのよぉ~」
家の中も、もう終わっていた。私の居場所なんて、この世界のどこにも残されていなかった。
背後で、静かに玄関のドアが開く音がした。
ゆっくりと振り返ると、そこには丸夫くんを先頭に、異形のバケモノと化したクラスメイトたちがぞろぞろと入ってくるところだった。
腕が背中から生えた和志くん、両足が逆さまにくっついた達也くん、そして頭から右腕を生やしたまりちゃんが、みんな一様にトロンとした濁った目で私を見つめている。
「お母さん! お父さん!」
涙で視界をにじませながら、私は我が家の玄関ドアを激しく押し開けた。
「助けて! みんなおかしくなっちゃったの! 早くここから逃げなきゃ――」
リビングに飛び込んだ私は、その場にへたり込んだ。
ソファに座っていたのは、私の大好きな両親ではなかった。
お母さんの身体の首から上には、お父さんの生首が乗っかっていた。そしてお父さんの身体の上には、お母さんの生首が乗っている。二人は互いの手を繋いでいたが、その手は指が十本ずつに増え、まるで巨大な蜘蛛のようになっていた。
「おかえりぃ~、美里ぉ~」
お母さんの体をしたお父さんが、間延びした声で言った。
「黒沢先生から聞いたわよぉ~。明日から夏休みなんですってねぇ~」
お父さんの体をしたお母さんが、ずるずると蜘蛛のような手を伸ばしてくる。
「丸夫くんってぇ~、本当に素晴らしい神様ねぇ~。私たちをこんなに『素敵なかたち』にしてくれたのよぉ~」
家の中も、もう終わっていた。私の居場所なんて、この世界のどこにも残されていなかった。
背後で、静かに玄関のドアが開く音がした。
ゆっくりと振り返ると、そこには丸夫くんを先頭に、異形のバケモノと化したクラスメイトたちがぞろぞろと入ってくるところだった。
腕が背中から生えた和志くん、両足が逆さまにくっついた達也くん、そして頭から右腕を生やしたまりちゃんが、みんな一様にトロンとした濁った目で私を見つめている。