推しにおされて、すすむ恋

ヤタカさんは取り付く島もないのか、パソコンの前に戻って再び編集を始める。そして「卒業動画と加入動画、いつ撮るよー?」と。感動の余韻に浸る暇なく、スケジュール調整を始めた。

し、信じられない。
重大なことを、こうもあっさりと決めるなんて!


「いくらなんでも、無謀すぎるよ……!」


とにかく、ここから早く逃げないと――!

後ずさると、背中に柔らかい感触があたる。ギギギ、と後ろを向くと……元気がない玲くんの姿。

さっきまでの黒いオーラは消えている。どころか、眉を下げて、心配そうに私を見ていた。


「玲くん、どうかした?」
「……うん」


あ――急遽、私がNeo‐Flashに入ることになったから嫌なのかな?リムチ―は嫌悪感丸だしで私を睨んでるし。

やっぱ、現メンバーからすると複雑だよね。
そりゃそうだよ。
私だって、ワケわからないもん!

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