推しにおされて、すすむ恋

ヤタカさん、さすがリーダーだなぁ。
いつもメンバーのことを見て、悩みがありそうだと知っても、自分から深追いはしなくて。お姉ちゃんがゆっくり答えを出すまで、待っていてくれたんだ。


「よかったね、お姉ちゃん……っ。
ん?」


……待って。
さっき聞き慣れないワードが聞こえたよね?


「あの、ヤタカさん。〝お前の妹と一緒に待つ〟って、どういうことですか?」


お姉ちゃんはリムチ―による介抱で、アイスノンで目を冷やしながら、ジュースを飲んでいる。

リムチ―ったら、大きなうちわまで用意して……。ファンというより、いっそ従者だ。


「合宿での妹の動きを見たけど、悪くなかった。さすが初期のファンだけあって、よく立ち位置を理解してるぜ。つまり、お前はステラと同等の働きを見せてくれるって事だ。
ってわけで、これからメンバーとしてよろしくな!」
「ちょっと待ってください!いくら何でも無茶ブリですよ⁉」

「でもステラからの無茶ブリで、仮ステラになったんだろ?」
「う……っ」

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