仮面を被った私たち

「からかってねぇよ!
 からかってこんなこと言わねぇよ………」

「信じらんない………」

「好きでもない奴に連絡先なんか教えねぇよ
 それに、この準備室も生徒はお前しか入れてない
 ここまでしてたのにお前は気づかなかったのかよ?」

「…………アンタが何でもかんでも秘密にするのが悪いじゃない
 そもそも一目惚れっていつよ」

「さぁな
 てか、話がそれてる」

「ほら、そうやって誤魔化すじゃない!」

「じゃあ俺が素直に話したらお前も話してくれるのかよ?
 助け………求めてくれるのかよ…………」

「……………………………」

「…………悪い
 からかいすぎたとは思ってる
 でも………お前を助けると言ったのは嘘じゃない
 お前が助けを求めてくれるの………あの日からずっと待ってたんだぞ…………」

「……アンタには関係ない」

「関係ある
 これを見て見ぬ振りして…………これ以上、お前が傷つくところ見たくない」

「………………………」

コンコン

「桜庭先生いますかー?」

あと少しというところで、誰かが俺を呼んだ

「チッ…………誰だよ……こんな時に…………
 お前、そこから動くなよ
 中にいることバレたら面倒くさいから」

そしてドアを開けた





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