ふたりが双子である理由
本 能 的

わたしたちがその秋祭りに参加したのは、小学五年生のときだった。


秋の三連休を利用して、柏井家と五十嵐家で涼くんたちのおばあさんの家に遊びにいったときに、ちょうど町をあげての秋祭りが開催されていたのだ。


わたしが参加したのはその一度きりだったけれど、神輿や踊り子さんたちが町を練り歩き、お祭りを盛りあげ、たくさんの屋台が人々を呼びよせるその様は、いまでも鮮明に脳裏に焼きついて離れない。


そのくらい楽しかったと記憶している。


「アパートを片してたら出てきた」


涼くんがどうしてチラシを持っていたのかは、そんな訳があってのことだったらしい。


「けど、おばあさんは春先に亡くなったんだよね? なのに、なんで今年のチラシが家にあったの?」

「毎年、友達に送ってもらってたみたいで、今年も届いてたのを俺がそのままにしてた」

「そういえば、ばあちゃん、秋祭りが好きだったね」


秋祭りに向かう電車の中でそんな会話をするわたしたちは、一見すると怪しいかもしれない。

会話が、ではなく、恰好が。

< 125 / 216 >

この作品をシェア

pagetop