ふたりが双子である理由

つららは、やがて溶けて消えるもの。
凶器が消えて、傷だけが心に残る。



両親の離婚はあっさりしたものだったらしい。それは唐突に訪れて、涼くんたちが声を上げるまえに決着した。

だから、涼くんは家を出て、反旗を翻した。


そうすることしかできなかった。
ただそれだけが理由だと思っていた。


まさか、わたしにも原因があったなんて、考えもしなかったんだ。



「……ごめん」


無意識に謝っていた。なにに対する謝罪なのか自分でもよくわかっていないのに、気づけば溢れていて、それがどんなに無責任な言葉なのかは、今のわたしの心理状態で察するのは難しかった。


「なんで謝んの?」


そう言われてしまうのもしょうがない。


「むしろ謝るのは俺のほうだろ。嫌になったわけじゃない」

「…………」

「ただ、むりになった」


涼くんは、なにも言えないでいるわたしの横を通りすぎていった。

ごめん。その言葉を、ささやくように残して。

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