チャリパイ11~時をかける森永探偵事務所~

「ちょっ!ちょっと~!シチロー!」


予想だにしなかった
シチローの行動に慌てるひろき。


気弱そうな男性相手にインネンをつけていた男は、その言葉に敏感に反応し、ギロリとひろきの方を睨みつけた。


「なんだとお~!
このアマ~!今何て言いやがった!」


「ちっ!違う~!あたしじゃない~!」


そんなひろきの後ろで、再びシチローは裏声で更にその怒りを煽った。


「弱い者イジメなんか、してんじゃないわよ~!バカじゃないの?アンタ~!」


ヤクザと目が合った
ひろきは、ブンブンと首を横に振るが…


「このアマ~!離れた所で調子コイてんじゃね~ぞ!」


完璧にキレたヤクザは、気弱な男性を掴んでいた手を離し、とうとう
ひろきの方に向かって走って来た。


「わっ!こっち来た!」


「よし、作戦成功~♪
逃げるぞひろき!」


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