桜の華 ― *艶やかに舞う* ―
37
七夕祭りを楽しく過ごし、帰宅。
入浴も済ませ後は寝るだけの時間になり、ちょうど麦茶を飲んでいると
桃も台所に来て麦茶のボトルを取り出しコップに注ぎはじめた。
あの日から夫婦の会話が極端に少なくなっていて、挽回でもないけど
今日の今原の話でも振って笑い話に繋げようと桃に今原のことを
持ち出してみた。
「今日さ、新卒の今原って奴が妙なことを言ってきたんだ」
「妙なこと?」
「そいつ、芸大卒らしい」
「芸大……」
「君を大学で見たことがあるって」
「……」
「正確には大学の授業で。言うに事欠いて何の授業だと思う?」
「芸大なんだから、体育とか社会じゃないわね」
いつものように鼻であしらわれるのかと思っていたら桃が話に乗ってきたので
俺は気分よく笑い話に持っていこうと更に話を続けた。
「ヤツは絵の授業で君を描いてたって。
しかも裸を描いてたってさ。
笑えるだろ?
よくあんな変な奴を会社も採用したもんだよ。
前途多難だな」
「わたし……たぶんその今原くんの顔を見ても分からないと思うけど……」
「そうだよな」
「会っても覚えてないと思うけどその人が言ってることは、そうじゃないのかな。
間違ってないと思う」
「えっ……なに……」
「私ね、去年から芸大で裸婦モデルしてるの。
今原くんの言ってることはほんとよ」
七夕祭りを楽しく過ごし、帰宅。
入浴も済ませ後は寝るだけの時間になり、ちょうど麦茶を飲んでいると
桃も台所に来て麦茶のボトルを取り出しコップに注ぎはじめた。
あの日から夫婦の会話が極端に少なくなっていて、挽回でもないけど
今日の今原の話でも振って笑い話に繋げようと桃に今原のことを
持ち出してみた。
「今日さ、新卒の今原って奴が妙なことを言ってきたんだ」
「妙なこと?」
「そいつ、芸大卒らしい」
「芸大……」
「君を大学で見たことがあるって」
「……」
「正確には大学の授業で。言うに事欠いて何の授業だと思う?」
「芸大なんだから、体育とか社会じゃないわね」
いつものように鼻であしらわれるのかと思っていたら桃が話に乗ってきたので
俺は気分よく笑い話に持っていこうと更に話を続けた。
「ヤツは絵の授業で君を描いてたって。
しかも裸を描いてたってさ。
笑えるだろ?
よくあんな変な奴を会社も採用したもんだよ。
前途多難だな」
「わたし……たぶんその今原くんの顔を見ても分からないと思うけど……」
「そうだよな」
「会っても覚えてないと思うけどその人が言ってることは、そうじゃないのかな。
間違ってないと思う」
「えっ……なに……」
「私ね、去年から芸大で裸婦モデルしてるの。
今原くんの言ってることはほんとよ」