熱の城

「あっ、ハナちゃん先輩、おはようございます! えっと? 鈴木主任がですか?」


 当番だったのか、いつもより早めにいる年下のハナちゃん先輩が、いつも変わらない、ふわふわと愛らしい笑顔で挨拶してくれた。


「うん、今急いで経理に向かったよ?」

「ありがとうございます、 後で声かけてみます」


 わたしはハナちゃん先輩にお礼を言い、自分の席に着いた。今日は、鈴木さんに挨拶が出来るんだな。……更に緊張してした。


「……」


 自分の机の上は、昨日片付けたままで、何もなくきれい。

 隣の席は? と、視線をめぐらせると、無造作に椅子に置かれた鞄とコート。

 あっ……。

 机の上、昨日のメモとアレがない。食べて、くれただろうか? 迷惑ではなかっただろうか?

 コート、ラックにかけておいた方がいいかしら?



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