熱の城
「あと、昨日差し入れありがとう、癒されたよ、じゃあいってきます」
「っ!?」
笑顔で言うなり彼は、颯爽と鞄を抱えて、フロアから消えて行ってしまった。
残されて、受け取ったカードを持ち、立ち尽くすわたし……。
「……」
ナニアレ、何あれぇ~!?
思わず、いってらっしゃいを、言い忘れてしまうほどで……。
迫力な存在感なのに仕草が洗練され過ぎ、それに笑顔がカッコ良すぎでしょ?
噂のタイガーって、こんなスゴかったんだっけ? ずっと同じフロアだったし、二、三度、臨時で補佐だってしてるのに。
ドキドキが、おさまってくれない。
「……っ???」
どうしちゃったの? わたし……。顔が熱くておかしい、みるくの言った通り?
わたしは、火照る頬を隠すように、両手で必死に顔を冷やした。