熱の城

「打合せ、長引かないで済んでよかったよ、……注文は?」

「まだです、鈴木主任は何にされますか?」


 わたしは、鈴木さんにランチメニューを差し出して言うと、メニューを受け取った鈴木さんは、サラッと目を通した。


「俺はBで、藤乃さんは決まってる?」


 見終わったメニューを、すぐに、わたしに差し出してくれながら言った。

 は、速いっ!

 あまりの迷いのなさに、わたしは、あらかじめ目を通していたメニューを思い出して、急いで決めた。


「わ、わたしはAにします」

「了解、すみません!」


 ウェイターを呼んで注文する仕草が、あんまりにも無駄がなく、感じもよくて、つい見入ってしまった。分刻みのような仕事をこなしていると、自然と合理的な動きになるのかしら? 



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