熱の城
「……?」
あれ? 今気付いたけど、このテーブル、とても目立っている?
まわりにいる女の子達の視線が、かなり痛い? 気がする……。
「……」
きっとみんな、鈴木さんを見ているんだろう。チラッと、前に座る彼を見ると、注文を終えてメニューをホルダーに仕舞っている所だった。
日本人離れした身長に整った容姿、チャコールグレーのスーツに趣味のいいライトブルーのネクタイ、仕草も雰囲気も洗練されていて……。
女の子多めのオシャレなダイニングで、鈴木さんは、芸能人張りに目立っていた。
あぁ、会社の人がいませんように……。
わたしは、今すぐメニューで顔を隠したい気持ちでいっぱいになった。
「悪かったね、昨日は」
鈴木さんの声に顔を上げると、やわらかい表情で、わたしを見下ろしている彼の笑顔があった。