熱の城

 うわぁ、こんなに近くで鈴木さんを見たの、初めてかも。

 基本会社にはいないし、見上げるほど背が高いから、近くで顔は見ることがない。臨時の補佐の時は、緊張しすぎて、仕事の画面に集中していたし。顔なんて、じっくり見る暇などなかったしな……。

 これは、モテるはずだよなぁ。


「藤乃、……さん?」

「あっ、いえっ! 全然気にしないでください、メモ、分かりやすくて悩まないでお仕事させて頂きました」


 あなたに見とれてましたなんて、絶対言えない状況だわ。


「あと、今日も悪かったな」

「えっ?」


 何を謝られているのかわからなかった。


「藤乃さん、確かいつもお弁当だっただろ? いきなりランチ待ち合わせなんて、迷惑だったよな? それにここ、なんだか落ち着かないし……」


 !!??



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