熱の城
「そんな風に見えないです」
「営業だから、良くそう言うこと言われるよ、夜の接待用の店ならバッチリなんだけどな」
あっ、イイなソレ。
「じゃあ今度、美味しいお店教えて下さい」
たまにはオシャレな夜デート、わたしからセッティングしたいし、タイガーなら、きっと素敵な店だろう。
「いいよ、じゃあ今度連れて行こう」
「ありがとうございます」
ちょうどランチが運ばれて来て、会話がふと途切れる。彼以外の男の人と二人でランチなんて、学生の時以来だな。
フォークを持つ、鈴木さんの大きくて長い指に、つい、見とれてしまう自分がいる。
「……」
その大きな手に触れられたら、どんなだろう? それに、あんな風に気遣いの出来るタイガーの彼女は、きっと幸せだろう、な……。