熱の城
♜ 緊張とご褒美
……――――
「―――…い?」
「……」
ん? 声が、聞こえる?
「―――…芽依? どうした?」
「……えっ?」
ヒロキの声に、ハッと、我に返って、わたしはまわりを見回した。
「……」
そこは、いつも行くファミリーレストランの、いつも座るテーブル席。目の前には、来たばかりらしいハンバーグとライスが置かれていた。
「あっ、ゴメン、……なんだっけ?」
ヤバいな、久しぶりの夜デートなのに。全然、ヒロキの話聞いてなかった。わたし今、何を考えていたのかしら?
「だからさ~、ウチの主任がこう言ったんだよ…―――」
ヒロキは、気にする風でもなく、続きを話し始めた。どうやら、いつもの上司の話らしい。
とりあえず、わたしはホッと、胸をなで下ろす。