熱の城
営業全体会議の日…―――
き、緊張する~っ!!
初めて味わう張り詰めた空気と、独特の沈黙が室内に漂っている。出張に出ているメンバーがいるとは言え、会場には大勢の営業が座っているはずなのに、シンと、静まりかえっていた。
「次の資料をご覧ください、これは…―――」
わたしは、震える右手をなんとか動かして、鈴木が主任が次に話すためのデーターを、クリックし画面に映し出していた。
タイガーは、慣れた様子で次々と画面の内容を説明していく。
「……」
資料さえ作ってしまえば、大事なのは出すタイミングだけで何てことない作業なんだけれど。
営業部全体会議と言う大舞台で今、まさに鈴木主任の隣に座り、プレゼンのバックアップ中。
一課のミーティングで一度こなしているはずなのに、バクバク言う心臓が、わたしのまともな思考を半分以上奪っていく。