熱の城

 あれ? そんなに時間が経っているの? わたし、どれだけトリップしてしまっていたの?


「こんな体勢じゃ、片付けにくる総務に誤解されるな……」

「……っ」


 そ、そんなこと言わないで欲しい。鈴木さんが近すぎて、今、意識しないようにするのがやっとなのに。

 先ほどとは別の意味で緊張して、心臓がバクバク言っていた。

 確かに、この格好をいきなり見た人は、ラブシーンかと誤解してしまうだろう。

 わたし自身なんとか鈴木さんに支えられている体勢で身動きが取れない。だから、早く起こして欲しい。でも、助けてもらっている身で、そんな我がままな事は言えないので、困った顔でタイガーを見つめた。


「……まあ、俺は誤解されてもかまわないけど?」


 っ!!??

 自分の顔が、一気に熱くなるのを感じた。ただでさえ、こんなにタイガーが近くていっぱいいっぱいなのに。

 仕事中に、なんて事を言うんですか、この人は! 



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