熱の城

「そ、そう言う冗談は、……苦手、です」


 半分泣きそうな気持ちで、わたしはタイガーを睨んだ。


「……悪かった」


 彼は、何とも言えない顔で笑うと、手を引いて、わたしを起こしてくれた。


「ありがとうございます、……あの、会議は無事終わったんでしょうか?」


 それにしても、途中の記憶がないなんて不安で仕方がない。


「あぁ……」


 鈴木主任の顔が、一瞬で真顔になる。

 ごくっ……。企画部ではないのに、企画の提案をしているので、結果が気になってしまう。


「……」


 鈴木さんは、みんなに配った資料を手にし、確認するようにパラパラとめくった。


「俺の企画案が通ったよ、秋以降にスタート出来るように準備することになる、今回のデーターとても分かりやすくて上からの評判が良かったし、短い期間でよく仕上げてくれたな、ご苦労様」


 そう言って笑うと、わたしの目の前に手をかざしてくれた。


「……」


 えっ?

 もしかしなくても、わたし今、鈴木主任に褒められてる?



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