熱の城

 わぁ……。


「凄く、雰囲気のいい所ですね?」


 薄暗い間接照明が、ぼんやり照らす店内は、和とも洋とも言えない雰囲気のいい装飾がなされていて、日常から心地よく遮断して包んでくれる感じがした。

 わたしは、個室の席についてから、ついキョロキョロとまわりを見てしまいながら、鈴木さんに言った。


「あぁ、和と洋風の創作料理をコースで出してくれる店なんだ」

「楽しみです」


 コースか、どのくらいなんだろう?


「!!??」


 メニューを開くと予想外な金額に、思わずメニューを閉じてしまった。


「あぁ、藤乃のポケットマネーじゃ、ここはツラいかもな」

「……はい」


 はぁ……、オシャレなデート用に、連れて来てあげてヒロキに自慢しようと思ってたのに……。ボーナスとか出てやっとの、記念日くらいのレベルの金額だった。



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