熱の城
でも、こんな素敵な場所は、なかなか来れないから、いっぱい堪能しよう。
「鈴木主任、お店とても素敵です、ありがとうございます」
「そう言ってくれると、連れて来たかいがあるな」
いつもと違う、クシャっとしたラフな笑顔に、慣れなくてドキッとしてしまう。
「失礼いたします、飲み物お待たせいたしました」
個室の戸が開いて、食前酒らしき飲み物が、焼き物で出来た器に入って、ちょうどよく運ばれて来てホッとした。
「とりあえず、会議お疲れさまと、藤乃の専属祝いに」
鈴木さんが焼き物の器を持って、わたしの方に掲げた。わたしも同じように器を手にして、彼の前に掲げて見せる。
「ありがとうございます、そして、お疲れさまでした、これからも宜しくお願いします」
タイガーが掲げた器に、わたしの器を重ねて乾杯をする。
連日の疲れと、今日の緊張でくたくたなのに心地いい。仕事でこんな気持ちになったのは、初めてだった。