熱の城

 昨年は、一年目で仕事覚えるのに必死で、それどころじゃなかったからかな? 周りなんて、見ている余裕さえなかったし。


「藤乃? 仕事のコト考えてる顔になってるぞ?」

「えっ?」


 しまった、鈴木さんがいたんだった。


「すみません」


 いつの間にか目の前には、綺麗に飾られたオードブルが置かれていた。きれいだし、美味しそうだし、画像取りたいのをかろうじて我慢する。

 それにしても、鈴木さんはどうして、わたしが仕事のこと考えてるって、わかったんだろう?

 タイガーが、くすりと、わたしと目があってから笑った。

 えっ?


「藤乃は、思ってることがすぐ顔に出るよな」


 えっ? なぜ、わたしのそんな事まで知っているのだろう? まだそんなに、一緒にお仕事してませんよね?



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