熱の城

 わたしが何も言えず、口をパクパクさせていると、楽しそうに笑って鈴木さんは席を立った。


「本当に藤乃は、思ってることが顔に出るよなぁ」


 えっ?

 そのまま、出口に行ってしまうタイガーを、わたしはあわてて追いかける。リーチの差が凄いから、ほぼ小走りだ。

 とにかく飲酒運転だけは阻止しなくては! 上の人だけど、そんなこと言ってられない。事故を起こしてしまったら、会社が大変なことになってしまう。

 わたしは、店を出た所でなんとかタイガーの左手を捕まえた。


「鈴木主任! だ、ダメですよ? 飲酒運転だけは!」

「……!?」


 驚くタイガーを、わたしは頑張って睨んだ。


 直後…―――


 鈴木さんは、我慢できないと言ったように、思いっきり吹き出して、お腹を抱えて笑い出した。



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