熱の城

 えっ?

 なんで笑うの? こっちは必死なんですけれど?


「……本当に、藤乃はイイなぁ」


 楽しそうに笑うタイガーに、わたしの方が混乱する。


「そんなに心配した?」

「……っ!?」


 肩越しに、斜めにわたしを見下ろす鈴木さんの瞳が、やけに艶やかでゾクッとした。わたしは、つかんでいたタイガーの腕をあわてて放す。


「……いきなり、すみません!」

「うん、大丈夫だから乗って?」

「……でも!」


 納得しないわたしに、タイガーは、スッ、と顔を近づけて耳打ちした。


「……えっ?」


 の、ノンアルコールの、しかもジュース!? 


「でも、……運ばれてきた器の中は、常にわたしのと同じ色をしていましたよね?」


 だからずっと、同じお酒を飲んでいるんだと思っていましたが……。



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