熱の城

「……チャン、ス?」

「あぁ、今夜一度だけ」


 えっ?

 背中に一気に冷たいものが走る。この人は、何を言っているの?

 返事を待たずに、タイガーは、わたしをスルッと抱き上げた。


「っ、……鈴木、主任?」


 あまりの高さに怖くなり、ギュッと自分の身を固くしてしまう。そんなわたしの頬に、彼はそっと唇を押し当てるようなKISSをした。彼の唇が触れた頬が、焼けるように熱を帯びてゆく。

 今夜って、……もしかして、の意味ですよね?


「鈴木さん、下《お》ろして、……ください」


 泣きそうな気持ちで訴えると、タイガーは、無言で奥の部屋のベッドに行き、ゆっくりと、わたしを下ろした。

 あっ……。


「……鈴木さっ、……ンん!?」


 あわてて降りようとしたベッドに引き戻され、唇が、タイガーのそれに深く、深くふさがれる。



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