熱の城

 彼の腕に引き寄せられた腰が、手首が、逃げられない鎖のように、わたしの身体を支配していく。


「藤乃、好きだ……」

「……っ!?」


 タイガーの低くかすれた声が、すぐ近くで響いた。目を開けると、真っ直ぐに、わたしを見つめる彼の真剣な瞳。

 ドクンッと、跳ね上がる心臓。

 そんな顔で、声で、言わないでよ?


「っ、ダメ……」


 まるで金縛りのように、動けなくなる身体。奪うような口付けの後、彼の肩越しに、自分の部屋の天井が見えた。


 熱《アツ》い…―――


 彼の唇が、触れた所から熱を帯びて、焼かれているような感覚にとらわれる。……もう、全身が焼かれてしまったように、熱い。

 どうして、こんなことになってしまったんだろう?

 わたしの部屋の天井が、揺れている。

 熱い吐息が頬にかかり、彼の力強い腕がわたしをしっかりと引き寄せた。

 声を上げずにはいられないくらい、甘い痛みが、わたしの身体の奥から突き上げるように、全身に広がった。


「―――…っ、やめて、……くだ、さい」



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