熱の城

 彼の名前が出てきただけで、ドキッとする胸を押さえて、落ち着くため少し深呼吸する。


「……うん、今のわたしには、かなりハードかな?」


 とりあえず、みるくの心配を別の方向へそらして、わたしは、いつの間に買ったのか覚えてない玉子サンドを一口食べた。


「ゆっくりと、ランチ時間も取れてなかったもんね……」

「うん、……その代わり、みるくのミッション・コンプリートしたよ?」

「えっ?」

「いないって言ってた、タイガー、今彼女」

「本当っ!?」


 みるくは、お弁当をひっくり返しそうなほど乗り出して来た。


「うん、いない歴もうすぐ一年だって言ってたよ」

「やったぁ! いい情報ゲット、ねぇ芽依、好きな人もいなさそう?」


 ドキッ


「えっと、……どうだろう、聞いてなかったな」



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