熱の城
心配して、手を差し伸べてくれる彼の大きな手が、支えるようにわたしに触れた。
瞬間…―――
心の奥でかけていた、最後の枷がパチンと外れた。ごちゃ混ぜになった感情が一気にあふれ出す。
「……だ、大丈夫じゃ、ないです!」
胸の奥が、熱い。自分の声が、震えているのがわかる。
「藤乃?」
「全然、大丈夫じゃないです!!」
あなたの残した熱が、こんなにも熱くて、苦しくて……。
「―――…頭の中がいっぱいで、仕事が手につかなくて困りました!」
「……」
驚いたように、目を見開いてわたしを見る鈴木さん、恥ずかしい、止めたくてももう、自分では止められない。
「同僚に変だって心配されて、KISSマークも指摘されて、彼に会っても、鈴木さんの顔が頭から離れなくて、困って、苦しくて……」
目の奥が熱い。涙が、あふれて止まらない。