空飛ぶ海上保安官は、海が苦手な彼女を優しい愛で包み込む
 翌朝、マルマロスビーチに着くと、既に凌守さんがいた。

「海花さん!」

 彼は笑顔で手を挙げ、こちらに微笑んでいる。そしてそんな彼の隣には、なぜか東海林夫婦がいた。

「お、来たね海花ちゃん」
「おはようございます」

 東海林さんの声に、私は小さく頭を下げる。するとすぐ、凌守さんが口を開いた。

「今日は、東海林さんに船を借りました。海花さんが、海に出られるように」
「東海林さんに?」

 驚きそう言うと、幸華さんが眉を八の字にした。
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