空飛ぶ海上保安官は、海が苦手な彼女を優しい愛で包み込む
「海花ちゃんが海のあるこの街に戻ってきたって知って、私たちも心配していたの。ずっと、海は見たくないって言っていたでしょう?」

「でも、『海花ちゃんが海が平気になるようにお手伝いしてる』って凌守くんに聞いたんだ。彼に提案されて、だったら俺たちも海花ちゃんに協力したいと思ったんだよ」

 幸華さんに続けて、東海林さんがそう言った。
 こんなに、皆が応援してくれている。海が怖いだなんて、苦手だなんて、言っていられない。

「はい。頑張りますので、よろしくお願いします」

 海から吹いてくる潮風は、秋の空気をまとい少し冷たい。だけど波は穏やかに、優しく寄せては返してゆく。
 そんな秋の海を前に、私は三人に深く頭を下げる。東海林さん夫婦も凌守さんも、優しく微笑んでくれた。
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