空飛ぶ海上保安官は、海が苦手な彼女を優しい愛で包み込む
「やっと来た。コンシェルジュのくせに、遅すぎるんじゃない?」
私を呼び出した主、麗波は私の姿を見るなりそう言って、ため息をこぼした。
その言葉は嫌味ったらしく耳に響くが、世間知らずのお嬢様のものだと思えば他の人には〝普通に〟聞こえるのだろう。周りの人は、だれも何も言わない。
「お待たせしてしまい、大変申し訳ございません。この度はご指名頂き、ありがとうございます」
丁寧に頭を下げる。だけど、私はそこで違和感を覚えた。彼女の隣に、与流さんがいなかったのだ。
しかし「なぜ」と聞くことは出来ない。今は仕事中だし、そもそも彼女に、そんな口を利けるわけがない。
「私、疲れてるの。ヨーロッパ周遊から帰ってきたばかりで、時差ボケもすごいの。部屋で休んでから、パーティーに出たいのよ」
「大変申し訳ございませんが、お部屋の清掃がまだ終了しておらず、ご案内ができない状況となっております。あと一時間ほどお待ち頂ければご案内が可能ですので、よろしければラウンジにご案内――」
「あの部屋がいいの。どうしても、いますぐに!」
私を呼び出した主、麗波は私の姿を見るなりそう言って、ため息をこぼした。
その言葉は嫌味ったらしく耳に響くが、世間知らずのお嬢様のものだと思えば他の人には〝普通に〟聞こえるのだろう。周りの人は、だれも何も言わない。
「お待たせしてしまい、大変申し訳ございません。この度はご指名頂き、ありがとうございます」
丁寧に頭を下げる。だけど、私はそこで違和感を覚えた。彼女の隣に、与流さんがいなかったのだ。
しかし「なぜ」と聞くことは出来ない。今は仕事中だし、そもそも彼女に、そんな口を利けるわけがない。
「私、疲れてるの。ヨーロッパ周遊から帰ってきたばかりで、時差ボケもすごいの。部屋で休んでから、パーティーに出たいのよ」
「大変申し訳ございませんが、お部屋の清掃がまだ終了しておらず、ご案内ができない状況となっております。あと一時間ほどお待ち頂ければご案内が可能ですので、よろしければラウンジにご案内――」
「あの部屋がいいの。どうしても、いますぐに!」