空飛ぶ海上保安官は、海が苦手な彼女を優しい愛で包み込む
「海は怖いところだ。こんなところで死のうだなんて、あなたたちは海の恐ろしさを〝まだ 〟理解していないんだな」
「だから私は、こうやって死にゆくことで罪を償おうと――」

 御船伊が、ゆっくりと口を開く。だけど、そんなこと償いにはならない。

「何を言っている、生きて償え! お前のやらなければいけないことは、それだろう」

 海花の父の事件の全貌解明。船舶設計不正の実態の解明。全ては、彼が責任を持って償い行うべきものだ。

「逃げるなんて、俺は許さない。海で責務を全うしながら命を失っていった自社の従業員に責任を押し付けようとした、お前なら尚更だ」

 凌守の脳裏には、ほろほろと涙を流した海花の顔が浮かんでいた。
 彼女は、彼らにどれほど苦しめられていたのだろう。それを思うと、怒りがさらに沸き上がる。
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