空飛ぶ海上保安官は、海が苦手な彼女を優しい愛で包み込む
「凌守さん……!」

 一度は止まった涙が、再び溢れ出す。海水に濡れひんやりとした彼は、私の熱くなった目元を冷ましてくれる。

「あったかいですね、海花さんは」

 おどけたようにそういう彼が、愛しい。

「好き、大好きです! いなくならなくて、本当に良かった」

 次々と涙が溢れて止まらない。背後からそっと誰かに毛布を被せられ、凌守さんと二人でくるまった。

「必ず戻ってくると、約束したじゃないですか」

 彼の優しい言葉に、思わずぎゅうっと彼を抱きしめる力を強める。すると、彼も抱きしめ返してくれた。
 海の香りと、凌守さん特有の柑橘系の香り。彼の生を強く感じて、私はひどく安心する。
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