空飛ぶ海上保安官は、海が苦手な彼女を優しい愛で包み込む
 しばらく抱きしめ合っていたけれど、凌守さんが不意に抱擁を解く。

「海花さん、寒くはないですか?」

 本当は少し寒い。だけど彼が生きて目の前にいてくれることを実感したくて、私はこくりと頷いた。
 すると彼は、右腕にあった小さなポケットから、母のペンダントを取り出した。

「それ……」

 涙声のまま呟くと、凌守さんはにこりと微笑む。

「俺が戻ってこられたのは、このペンダントのおかげです。このペンダントが、俺を守ってくれました」

 そう言いながら、彼は私の首元にペンダントを着けてくれた。
 あれ、こんなこと、前にも――。
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