空飛ぶ海上保安官は、海が苦手な彼女を優しい愛で包み込む
2 諦めと生きる希望
ふと意識が覚醒する。
医療機器の音が聞こえて、死ねなかったのだと悟った。
そっと目を開くと、心配そうにこちらを見つめる東海林夫婦がいた。
「ああ良かった、海花ちゃん」
「本当に、良かった」
二人は涙ぐみながら、ベッドに横になったままの私に口々に言う。
「海に飛び込んだって聞いた時は息が止まるかと思ったわ」
「ああ。皆が止める中飛び込むなんて、よほどあのペンダントが大切だったんだな」
どうやら、船上ではそういうことになっていたらしい。
私が生きていたことを喜んでくれる二人に、「死ねれば良かった」なんて言えるわけもなく、私は慌てて笑顔を作った。
「心配をかけて、ごめんなさい」
言いながら、あのペンダントはきっと海の中だろうと悟った。掴んだ気がしていたが、どこにも見当たらない。
私だけが助かった。母も父も、あのペンダントさえ海に沈んだというのに。
そのことが、どうしようもなくつらくて、虚しい。どうして私は、生きているのだろう。
医療機器の音が聞こえて、死ねなかったのだと悟った。
そっと目を開くと、心配そうにこちらを見つめる東海林夫婦がいた。
「ああ良かった、海花ちゃん」
「本当に、良かった」
二人は涙ぐみながら、ベッドに横になったままの私に口々に言う。
「海に飛び込んだって聞いた時は息が止まるかと思ったわ」
「ああ。皆が止める中飛び込むなんて、よほどあのペンダントが大切だったんだな」
どうやら、船上ではそういうことになっていたらしい。
私が生きていたことを喜んでくれる二人に、「死ねれば良かった」なんて言えるわけもなく、私は慌てて笑顔を作った。
「心配をかけて、ごめんなさい」
言いながら、あのペンダントはきっと海の中だろうと悟った。掴んだ気がしていたが、どこにも見当たらない。
私だけが助かった。母も父も、あのペンダントさえ海に沈んだというのに。
そのことが、どうしようもなくつらくて、虚しい。どうして私は、生きているのだろう。