空飛ぶ海上保安官は、海が苦手な彼女を優しい愛で包み込む
【泊里海花 来月付けでリーダーへ昇格及びアルカディアポートホテルへの異動を命ずる】
それを読んで、思わず固まった。胸がドクリと、嫌な音を立てる。
アルカディアポート。
それは、私が生まれ育った街に作られた、新しい港街の名称だ。そこには、母や父との思い出が、そしてもちろん海がある。
私は高校卒業以来、海を避けて生きてきた。
生きる希望を持つことはできたが、それでも私は海が苦手だった。波の音を聞くと、どうしても死にかけたあの日を思い出してしまうのだ。
「泊里さん、朝会始まりますよ」
後輩のその声にはっとし、慌ててデスクへ向かった。席に着くと、さっそく恋人――上司の与流さんが立ち上がった。
朝会では本日の天気から休止中の近隣アクティビティの共有、お客様の動向、VIPの情報などが伝えられる。だけど、今朝は少し違った。
「この後、全社員に通達が届くと思いますが」
与流さんはそう前置きをして、一度咳払いをした。
「わが社、イデアルヴィア・リゾート&ホテルズは、本日付で御船伊重工のグループ傘下に入ることになりました」
それを読んで、思わず固まった。胸がドクリと、嫌な音を立てる。
アルカディアポート。
それは、私が生まれ育った街に作られた、新しい港街の名称だ。そこには、母や父との思い出が、そしてもちろん海がある。
私は高校卒業以来、海を避けて生きてきた。
生きる希望を持つことはできたが、それでも私は海が苦手だった。波の音を聞くと、どうしても死にかけたあの日を思い出してしまうのだ。
「泊里さん、朝会始まりますよ」
後輩のその声にはっとし、慌ててデスクへ向かった。席に着くと、さっそく恋人――上司の与流さんが立ち上がった。
朝会では本日の天気から休止中の近隣アクティビティの共有、お客様の動向、VIPの情報などが伝えられる。だけど、今朝は少し違った。
「この後、全社員に通達が届くと思いますが」
与流さんはそう前置きをして、一度咳払いをした。
「わが社、イデアルヴィア・リゾート&ホテルズは、本日付で御船伊重工のグループ傘下に入ることになりました」