空飛ぶ海上保安官は、海が苦手な彼女を優しい愛で包み込む
「良かった。君には、別件で話があって」

 与流さんは安堵したようにそう言うと、一度軽く深呼吸した。

「異動のお話ですよね。恋人が直属の部下というのはアレなので、いつか別の場所に異動になるだろうと思ってましたから、平気で――」
「別れてほしいんだ」

 私の言葉を遮って伝えられた唐突な言葉に、私は固まった。
 目の前の彼は真剣な目をしており、嘘や冗談の類いでないのが伝わってくる。
 だけど、突然すぎる別れ話に、私は納得なんてできない。

「遠距離でも私は大丈夫です! 同じ業種だから連絡だって取れますし、私はそれでも――」
「お見合いをすることになったんだ。だから」
「おみ、あい……」

 再び声を遮られ、告げられた言葉を思わず繰り返した。
 恋人がいるんだから断ればいいじゃない。そんなことを考える余裕もなく、頭の中に『お見合い』という言葉がぐるぐると回る。
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