空飛ぶ海上保安官は、海が苦手な彼女を優しい愛で包み込む
「ごめんなさい、もう、無理……」
泣きそうになりながら言う。恥ずかしさよりも恐怖が勝り、私は彼に必死にしがみつく。
こんなところまで、来てしまった。陸に戻らなきゃいけないのに、動けない。
波の音がやたら大きく聞こえる。それに反応するように、両足が震える。
どうしよう、どうしたら、どうすれば――。
恐怖に凍てついた脳で必死に考えていると、凌守さんが口を開いた。
「失礼します」
彼はそのまま、私の両腕を自分の首元に誘導した。それからしゃがみ込み、私の背と膝裏に自身の手を差し込む。
泣きそうになりながら言う。恥ずかしさよりも恐怖が勝り、私は彼に必死にしがみつく。
こんなところまで、来てしまった。陸に戻らなきゃいけないのに、動けない。
波の音がやたら大きく聞こえる。それに反応するように、両足が震える。
どうしよう、どうしたら、どうすれば――。
恐怖に凍てついた脳で必死に考えていると、凌守さんが口を開いた。
「失礼します」
彼はそのまま、私の両腕を自分の首元に誘導した。それからしゃがみ込み、私の背と膝裏に自身の手を差し込む。