空飛ぶ海上保安官は、海が苦手な彼女を優しい愛で包み込む
 水族館を出ると、凌守さんに夕飯に誘われた。用事もないので了承すると、彼に連れられて商業施設内のレストランフロアへとやってきた。

「このお店も、オススメです」

 凌守さんに太鼓判を押されやってきたのは、通路の少し奥ばったところにあるレストランだ。
 以前のカジュアルな感じのカフェとは異なり、少し高級そうな佇まい。だけど、商業施設の中とあって、気後れせずに入ることができる。

「窓際の席で、大丈夫ですか?」

 凌守さんは通された席を見て、すぐにそう言ってくれた。窓辺のその席は、目の前に海を見下ろせる場所だったのだ。

「はい。凌守さんが一緒なら」

 席に腰掛け言うと、彼は一瞬目を瞬かせ、それから爽やかに笑った。

「良かったです」

 そう言う彼の笑顔が、くすぐったい。
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