空飛ぶ海上保安官は、海が苦手な彼女を優しい愛で包み込む
 凌守さんが洋風の魚料理を勧めてくれたので、それを二人で頂いた。

 私は相変わらずメモを取りながら、美味しいディナーに舌鼓。食後には、香りのいいコーヒーが運ばれてきた。
 カップを傾けながら、凌守さんは海を見つめていた。

「疲れてないですか?」

 訊ねると、凌守さんはこちらを見て目を瞬かせる。

「今日は訓練もありましたし、ロープで降りてくるのも格好よかったんですけど、気を張ったんじゃないかなあって」
「大丈夫ですよ。体力だけは、自信があるので」

 凌守さんは優しく微笑む。

「海花さんはどうですか? 水族館でもずっと立ちっぱなしでしたね」

 そう言いながら、彼は「気が利かなかったな」などとぶつぶつこぼす。

「全然平気です。水族館、ありがとうございました。海の違う一面を見れて、海が好きだった頃を思い出しました」
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