この想いが、キミに届きますように。

「おはよ、田宮さん」

「月島くん……。お、おはよ」


今日も今日とて、朝から眩しい笑顔をくれる彼。


「今日遅かったけど、寝坊でもしたの?」

「あ、えと……、まぁ、そんな感じ、かな……?」


あはは、と軽く笑いながら、ほんの少しの罪悪感を胸に抱く。


宣言通り少し遅れて入ってきた蓮くんは、いつも通りの澄まし顔で堂々と自分の席に着くと、鞄を横にかけて早々に机に突っ伏して眠りの世界に旅立ってしまった。


……さすが、蓮くん。


視界の端でひっそりとその様子を見届けながら、私はいつもより機敏な動きで授業の用意を始めたのだった。


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