この想いが、キミに届きますように。

「だから今日遅かったんだね……」



一時間目を終えたあとの休み時間。


藍とおしゃべりしようと片付けを先に終わらせた私が、彼女の席に訪れると、開口一番に質問攻めを受けることとなった。


まぁ、そうなるよね、なんてその勢いの良さにほんの少し苦笑いを浮かべながら、ここじゃ人目に付くから、と彼女を廊下に連れ出して、人のいない屋上前の階段で足を止めると、促された続きをぽつりぽつりと周囲に聞こえない程度のボリュームで話し始めたのだった。


その返事が、冒頭の台詞。


少し目を伏せて呟かれた言葉に、私はちいさく首を縦に振った。


「……うん」

「けど、蓮が一緒にいてくれてよかったね。理解者がそばにいるかいないかで、かなり状況違ってただろうし」

「うん……。ほんとに……」


藍の言葉に、深くゆっくりと頷いてみせる。

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