この想いが、キミに届きますように。
たくさん迷惑をかけてしまったけれど、蓮くんは多分私のことを私以上に理解していて……。人目を気にしたり、男子と触れることを極端に怖がる私に対して、いつも絶妙な距離感で接してくれる。
その彼の優しさについいつも甘えてしまうけれど、その絶妙なラインを保つことがどんなに難しいか、私は痛いほど知っている。
……本当に蓮くんには、お世話になってばかりだ。
はぁ、とため息をひとつこぼしたそのとき、休み時間の終わりを告げるチャイムが校内に鳴り響いた。
「あ……」
「鳴っちゃったね。戻ろっか」
「うん」
促されて、一緒に教室の方へとその足を進める。
端の列でひとり机に突っ伏している姿に、心の中でひっそりとお礼を告げながら、私は自分の席へと戻ったのだった。
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