桐田家のヒミツゴト~秘密の契約結婚からはじまる恋~
流石にベッドじゃ5人眠れないもんね。
柊くんを挟むように、智夜さんと茉昼ちゃんが寝転がり、その両端に朝士くんと私が横になる。
「しゃーー!!」
「こんな大人数で寝るの修学旅行みたい!」
柊くんがはしゃぐ中、茉昼ちゃんも楽しそうに笑顔を見せた。
なんか前にも、朝士くんがそんな事言ってたな、なんて姉弟だなと、ふふっと口元が緩んでしまう。
「茉昼、前の飲み会の時さー。俺と智夜と彩里と柊で寝たの羨ましかったんだろ?」
「えー、そんなことないもん!」
「修学旅行といえば、あれだろ?好きな人と、何人付き合ったことある………か、やっぱいいや」
「なんでやめちゃうの?それ、めっちゃ楽しそうじゃーん!」
途中で言いかけた朝士くんがゴニョゴニョと言葉を濁すと、茉昼ちゃんからブーイングが起きる。
「おい、智夜!あと何がある?修学旅行!」
「うーん、怖い話とかじゃないか?」
「ちょっと、私それ系苦手なんだけど!」
「ふははは、茉昼は怖がりだからなー」
「昔、本当にあった怖い話系の動画みて大泣きしてたよな」
「ちょっと、その話はやめてよ」
「確かにあった!あんな面白いのに」
「はは、彩里ちゃんは怖いの平気?」
「ふふっ、平気です」
「えー、意外なんだけど!」
「じゃぁ、彩里今度こそホラー鑑賞な」
「それ俺も混ぜてよ」
「きゃはーーー!!」
柊くんも楽しそうにはしゃいでいた。
いつもと違う環境に興奮していたらしく、目をギラギラと輝かせていたけど。
流石に日付が変わる頃には、スヤスヤと眠りについてしまう。
皆でその無邪気な寝顔を覗いては、クスクスと静かな笑い声が上がった。
「はぁーー、こういうのすごく楽しい……」
なんて、ポツリと吐き出された台詞に、感情が溢れでてくるように言葉を続けていく。
「なんか、ずっと前から知ってるみたいで、私もずっと昔からここにいた気分」
「分かるー!私、彩里ちゃんと姉妹な気分!」
「はは、妹2人かぁ……」
「彩里すぐ泣くから妹だな」
「え?朝士くんの妹はない……」
「おい、なんでだよ!」
朝士くんが不満そうな声を上げると、どっと笑い声が上がった。
「あはは! 本当にずっと前から家族みたい!」
茉昼ちゃんのその言葉が、妙に心に残る──。