桐田家のヒミツゴト~秘密の契約結婚からはじまる恋~
『そんなの無理だよ。お前、俺をなんだと思ってるんだよ!?』
「和生は、昔、一緒に家族を作ろうとした相手だよ」
『……っ、』
「私は今の家族を守りたいの」
『でも、お前の子供じゃないだろ』
「分かってるよ、滅茶苦茶なお願いだって!でも……」
和生の言葉を遮るように上げると、静かな夜にやけに大きく響く。 少しの沈黙のあと、電話の向こうから和生が深く息を吐いた。
『嘘がバレた時のリスクだってあるだろ』
『分かってるよ……」
『こっちだって、家族ができるんだから』
「分かってるってば!」
『……なんなんだよ、そこまでしてお前の守りたいものって』
「大切な……家族に、これ以上傷付いて欲しくないの」
『昔のお前はそんな無茶なことしなかっただろう?て、あー、もう…普通なら断るからな』
そして──。 和生は、柊くんの"父親役"を引き受けてくれた。
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「俺、聞いてなかったんだけど。なんでそんな重要なことを黙ってたんだよ!しかも父親役なんて……もし嘘がバレたらどうするつもりだった?」
「だって絶対止められると思ったしー」
「当たり前だろう?向こうの奥さんに誤解されたら、うちだけの問題じゃなくなるんだぞ?」
「えー、お兄ちゃんのためだったのに」
キャンプ場受付の裏に建つログハウス風の我が家。そのリビングでは、兄の智夜さんと妹の茉昼ちゃんが言い合いをしていた。
義両親が完全に納得したかは不明だけど、本宅での話し合いがとりあえず終わったらしい。
私は立ち合い出来なかったのだけど、和生もこちら側が頼んだことは伝えてくれたみたいだし。
そして、和生も自分のいるべき場所へ帰っていった。