桐田家のヒミツゴト~秘密の契約結婚からはじまる恋~
「……保育園のママさんから?」
「んーん、パパさんから~」
茉昼ちゃんにちらりと視線を落とすと、彼女は自身のスマホをタップしながら、あっけらかんと口を開く。
「……えっ!?」
「えー、やだー。彩里ちゃん、そんな顔しないでよ!ただのパパ友だからぁ!」
ケラケラと笑い声をあげる茉昼ちゃん。
でも、この間女子会をしたとき、茉昼ちゃんの経験豊富な話も聞いていたから、ちょっと心配になる。
「柊と仲が良い子のパパで、シングルなんだって。お互い大変だね~って、ちょっと気が合っただけだし」
「そうなんだ」
「まぁ、今度一緒に遊ぼうって話はあるけど」
にんまりと口元を緩める茉昼ちゃんが、妙に艶のある女の人の顔に見えて、思わず言葉を失ってしまう。
「……」
やっぱり、ちょっと心配かも。
「あはは!だから、柊もいるし何もないよ~。あ、ランチの時間も終わるし、片付けしよっか~」
なんて、茉昼ちゃんが調理場へ戻り洗い物を始めるから。私も店内の片付けに戻った。
でも……、お互いにシングルって、お互いにフリーってことだよね?
私だったら、ちょっと構えちゃうけど。
そういうものなのかな。
それに──、智夜さんは知っているのだろうか。