桐田家のヒミツゴト~契約結婚したはずが、義弟との距離が近すぎる~
「………ぃっ……」
右足に、声にならない痛みが走るから。
身が裂けるような激痛に、震えながら体を縮めた。
小さな子の、悪気のない無邪気な行動。
わざとじゃない、わざとじゃない。
私を心配してやってくれたのに、分かっているのに――、
子供はなんて残酷なことを笑顔で行うのだろうか。
「とんでけーー! おけが、とんでけーー!!」
「おい! お前、何やってんだよ!?」
流石の朝士くんも驚いたのか、慌てる声が耳に入る。
「この馬鹿!! 怪我、叩くなよ!」
「えーー? きゃー、あしゃこわーい」
「当たり前だろ!」
なんて、彼が柊くんを持ち上げるものだから、その子から「きゃっ、きゃっ」と楽しそうな声が聞こえてくる。
それ、絶対遊んで貰ってると思ってるよね。
「あしゃ、たかーい、もっとー」
「お?おーし、特大高くしてやる!!」
なんで、こいつも一緒になって遊びはじめてんのよ!?
「ちょっと!2人とも!そこに座りなさい!!」
「……え?」
「きゃー」
「私は足を怪我してるの。触りません!触るとすごく痛いです!朝士くんも、途中で遊びはじめないの!!怪我してる人のことは守ります!」