桐田家のヒミツゴト~契約結婚したはずが、義弟との距離が近すぎる~
03.涙の歓迎会
絶対に幸せにする
彩里のこと、一生守るから──
前にそう言ってくれた人がいた。
優しくて、私の全てを受け入れてくれたと思ったのに、最後には離れていった人。
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「あははは!!」
「笑いごとじゃないんですよ!」
「だってさぁ。朝士がさぁ……。いやー、朝士と柊の下部っぷりには笑わされるよ」
「私、本当に痛かったんですよ?」
智夜さんにここまで笑われて、なんだか急に恥ずかしくなってくるから。頬が熱くなって、思わず両手で押さえた。
「ごめんごめん、そうだよね。でもさー、柊なんて彩里ちゃんの前に仁王立ちだよ?しゃいりー近づくなーって」
「……そうですね。小さい子って、あんなに必死になるんだ…」
「はは、面白いよね?朝士は移動も身の回りもべったりだし。よく懐いたよ、2人ともほんと」
智夜さんによって、ダイニングテーブルの上にコーヒーを置かれた。
朝のコーヒーの香り。トーストと野菜スープ。
簡単なものと彼は言うけれど、仮にも結婚してからというもの、私がキッチンに立ったことはない。
「美味しそうで、何から何まですみません… 」
「いーよ。彩里ちゃん怪我してるんだし。で、昨日はよく眠れた?」
「おかげさまで。昨日の夜、朝夜くんが湿布をかえてくれてお陰か、痛みで起きることはありませんでした」
「朝士にそんな献身性があったとはな……。あ、噂をすれば、ほら来た」
バタバタと足音がしたと思った瞬間、扉が激しく開かれた。